今回は介護保険の申請方法について、現役社会福祉士の視点から説明していきます。
準備の段階から丁寧に解説していきます。
実際に申請する際に参考にしてみてくださいね
\この記事はこんな人におすすめ/
- 介護保険の申請をしたいけどやり方が分からない
- 手続きをする前に申請の流れや準備すべきことを知りたい
- 介護保険のサービスを使いたいけれど、どんな手続きが必要なのか分からない
- いつか介護が必要になった時に備えて知識をつけたい
そもそも介護がいつから必要になるのか分からない…という方はこちらの記事を参考にしてみてください。
介護保険申請の事前準備
かかりつけ病院を決める
かかりつけの病院は、日ごろの様子を分かってくれている病院です。
介護保険の申請には必ず「医師の意見書」の提出が必要になりますので
申請をする前に、主治医の先生に次の2点を伝えておくとスムーズです。
- 介護保険の申請を考えている
- 意見書を書いてもらいたい
かかりつけ医がなければ、まずは病院探しから行いましょう。
探し方が分からない場合は自治体の窓口で相談できることもありますので問い合わせてみましょう。
持ち物リストを確認
介護保険の申請に際して必要なもちものを下記にまとめました。
- 介護保険被保険者証(いわゆる介護保険証)
- かかりつけ病院の連絡先や主治医の名前が分かるもの(診察券や予約票)
- 家族の連絡先が分かるメモ
介護保険証は65歳の誕生日の前後にお住いの市町村から送られてきます。
保険証の色はピンクや水色、黄色など、市町村によって異なります。
紙製で、大きさは三つ折りにした状態で縦13cm×横10cmほどです。
65歳で介護保険証が手元に届いてから実際に申請をする日まで、10年以上の期間があくこともあります。
どこかにしまったまま失くしてしまった場合には、自治体の窓口で再発行の手続きをすることが可能です。
家族の連絡先については、ステップ2の認定調査時に「家族の立会い」を必要とする場合に必要になります。
申請書はどこでもらえるの?
申請窓口でもらえるし、事前にダウンロードもできるよ!
自治体によっては介護保険の申請書をホームページからダウンロードできるところもあります。
先に内容を確認しておきたい、記入しておきたい方はチェックしてみましょう。
また、自治体によっては印鑑やマイナンバーカードなどが必要な場合もあります。
※持ち物については必ず事前にホームページなどで調べておくか、電話で確認をしましょう。
介護保険申請先の窓口を探す
介護保険の申請窓口は「自治体の介護保険窓口」か「地域包括支援センター」の2つです。
お住いの住所を管轄する役所は皆さんお分かりかと思います。
では、お住いの住所を管轄する「地域包括支援センター」を調べるにはどうしたらいいか、
それは、
検索:「地域包括支援センター お住いの市町村名」
こちらで検索してみてください。
市町村内にあるいくつかの地域包括支援センターの一覧が出てくるはずですので、
その中からご自身の住所地を管轄する地域包括支援センターを見つけてみてくださいね。
介護保険申請
持ち物をもって窓口へ
地域包括支援センターへ介護保険の申請に行く際には、必ず電話で事前の予約をするようにしましょう!
予約せず直接窓口に行った場合、待ち時間が発生してしまう可能性があるからです。
大事な時間を無駄にしないためにも予約をしてから行きましょう。
また、本人や家族が地域包括支援センターまで行くことが難しい場合には、
本人の自宅へ相談員が訪問して申請代行をしてくれることもあります。
窓口に行くのが難しい場合は、事情を伝えて訪問してもらえるか相談してみましょう。
※コロナ禍で訪問を中止している場合もありますので、必ず確認が必要です。
申請書を記入、提出
申請書は、窓口で書き方を教えてもらいながら記入すると間違いがなく安心です。
記入の際には先ほど示した持ち物を手元に用意しましょう。
「自治体の介護保険窓口」で申請する場合には、その場で直接申請書を提出できます。
「地域包括支援センター」 で申請する場合には、包括支援センターが区役所に申請書を提出するという流れになります。
認定調査
調査員が自宅に来る
事前に調査日を電話で調整したうえで、自宅に調査員が訪問します。(入院時は入院先の病院で調査を行うこともあります。)
認定調査では、心身に関する様々な質問を行います。
調査時間は1時間前後を見ておくと安心です。
質問事項は74項目
質問の中には認知機能に関する項目も含まれています。
今の季節を問う項目や、記憶力を簡単にテストする項目などは、
場合によってはご本人のプライドを傷つけてしまう可能性もあるかもしれません。
そうした可能性がある場合には、事前に調査員に相談しておいたり、
ご本人に説明をしておいたりしましょう。
私にそんな子供だましな質問をして、なんて失礼な…!
このようにご本人を気付付けてしまわないよう、丁寧に説明しておきましょう。
今日の調査では、中には失礼な項目もあるかもしれないの。でも気を悪くしないでね。これからの質問はみんなに対して行っているものなんだって。
ありのままを答える
認定調査の時は質問項目に端的に答えるとスムーズです。
例えば、
お薬の管理はご自身でできていますか?
はい、自分で管理しています。でも1週間に1回くらい飲み忘れることがあります。
聞かれた内容に対して答えていくだけで大丈夫です。話がそれていかないようにしましょう。
ありのままの状態を伝えることで、適切な認定結果につながります。
※認知症のある方の場合など、質問に対して事実と異なる回答をなさる場合もあります。
こうした場合は、立ち合いをした家族が調査後に調査員へそのことを伝えましょう。
ご本人に聞こえないよう、部屋の外や玄関などで伝えるなどの配慮をすると良いですね。
主治医の意見書の提出
主治医の意見書の扱いについては自治体によって様々です。
- 申請した窓口で直接もらい、次回通院時に主治医に渡す
- 申請後に自宅に送られてきて、次回通院時に主治医に渡す
- 自治体の窓口から直接主治医へ郵送
などなど。
これらについては申請窓口で必ず説明がありますので、「自分は何をすべきなのか」を確認しておきましょう。
意見書の提出が遅れると、認定結果が出るのも遅くなってしまいます。
介護保険の申請方法まとめ
- 申請
- 認定調査
- 医師の意見書の提出
これらが終わればあとは認定結果が届くのを待つだけです。
結果が出るまでは1か月ほどかかります。(混み合っているときなどは2か月ほどかかる場合も)
今すぐ困っていることがあり急を要する場合には、介護保険サービスを先行利用することも可能です。
その場合は管轄の自治体窓口か地域包括支援センターに相談するようにしましょう。
認定結果が出てサービスを利用する場合にはケアマネジャーが必要になります。
ケアマネジャーの探し方や選び方についてはこちらの記事で紹介しています。
今回は介護保険の申請の流れを詳しくご紹介しました。
初めてのことは誰もが分からないことだらけです。
窓口で専門職に聞きながら進めていきましょう。
この記事が申請を控えた方やご家族の参考になれば幸いです
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